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【2025/02/04 09:47 】

「あーっと、今日の仕事の予定は、っと……」

朝、いつものように事務所に向かいながら、呟く。
貧乏なので当然のように徒歩通勤だ。

今日はソフトボール大会なんだよなぁ、と。
スケジュール帳を捲りながら思う。

片隅に、俺の絵が描いてある。1ページごとに僅かずつ動きを見せる、いわゆるパラパラマンガだ。
それまでは予定なんて書き込んだことすら――生徒手帳すら持ち歩かなかった俺だけど。
これをもらってからは、こまめに予定やメモを書き込むようになった。
それ以来、ちょっとは仕事が上手く行くようになったんじゃないか?とアオトに言われたが。
とんでもない、かなりイイ感じに上手くいくようになった。

予定を頭の中に詰めるだけ詰めて、そうすると古いもんから忘れてく性格だった今までの自分、サヨウナラって感じだ。

ああっと、言ってるそばから意識が飛んでくとこだったわ。
今日の仕事は……はぁ、学園御用達の武器屋の在庫整理か。
……つかどういうルートでこういう仕事を拾って来るんだ、あいつは。
そして何故俺だけが動かなきゃいかんのでしょう。
……まいいや。さっさと終わらせて、応援に行こーっと。

「……今日はこれで終わりです。報酬に、好きな武器を一つ持って行きやがるといいですよ」

相変わらず変な喋り方の女店主(人使い荒い)が上機嫌で声をかけてくる。
今日は刀剣の類が多かったから、俺も色々見ながら仕事が出来た。
だもんで今日の報酬は破格だ。

「んじゃあ、これ…これかっこよくね?」

俺が選んだのは、一振りのナイフ。
ブレードの背部に鋸状刃の付いた、かなり俺好みに無骨なデザイン。
だがそれを見て、店主は露骨に眉をひそめた。

「あう、それは…」

「なんだよ、ダメか?」

「いや…よくソレに目をつけやがりましたね。目立たねーから大丈夫だろうとは思ったンですが」

察するに、それなりに高価なモンらしい。聞き出すとカーボン鋼で出来てるとかで、なるほど業物だ。

「……じゃあ、また後で、整理手伝いに来るとかで…」

「小首傾げたって可愛くねーですよ。…じゃあ、それで手を打ちましょう。次も精々こき使ってやりますんで」

「わーい、さんきゅー。……んじゃあ俺もう行くな。今日は学園で大会あるし、応援にいかねーと」

ゲームのコントローラ片手に引き止める声は無視して、大急ぎで店を出た。
勿論大通りに出る前にナイフは最適化して、イグニッションカードに封じ込めた。

「お、やってるやってるー。……どーだ?ホームラン打ったか?選手と観客入り乱れての大乱闘やったか?」

部室に顔を出してそれぞれに声をかける。
そこには試合の合間に集まった面々がいて、俺は差し入れのスポーツドリンクを飲みながら聞いた。
ちぇ、大乱闘はねーのか。
野球中継並みのアレを期待してたんだがなあ。

そんなこんなをしている間に、携帯にメールが入った。
アオトからで、次の仕事の依頼。

「新しい詠唱兵器のサンプル試験だそうだ。俺には装備できないから、お前に任せた」

「へえ。……この箱ん中?」

今すぐ開けようとすると、含み笑いを浮かべつつ、止められた。
ここでは開けずに、GTまで行ってから開けて試して来いというのだ。
わけわからんと思いつつ、俺はGTに向かう。
最近のお気に入りは、テツオんとこだ。

で、開けてみた。中に入っていたのは…。

「は……はりせ、ん?」

そこに入っていたのは、まごうことなきハリセン。
テレビ番組とかでよく見る――いや、最近は見ないか――あのハリセンだ。
ちょっと俺のほうも吹き出しつつ……いや、これ本当に、誰が開発したんだ……!
色々な意味で実用的じゃねえか!
よし、これで色々シバキ倒して来いってことなんだな!

「よっしゃ、いっちょ行きますか!」

てなわけで、今日も俺は頑張るのであった――。



……うん。
今日は皆お疲れさま。
それから、ありがとうな!




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【2008/05/25 20:38 】
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